環境問題と戦争 その2


八木澤秀記 高千穂大学 理学博士
物理学から見るエネルギー問題・環境問題について研究している。自宅の軽井沢では農業を営み、自然との調和したライフスタイルの実践をしている

イラクが油田に火を放ったと報道する米英日のマスコミは何を非難しているのか判らない。自分たちが遥々盗みに来た大事な石油を無駄にするなと言っているのか。または黒煙、炭酸ガス、有害化合物をばら撒くなと言っているのか。
沙漠を疾走している兵員輸送装甲車は1キロにつき10リットルの燃料を消費するという。バクダッドまで300キロならば3000リットル、即ち、中型のタンクローリー一台分の燃料を使う。限られた地球資源の石油を垂れ流して走っていることになる。これらの装甲車数千台の燃料合計は? 
爆撃機、ミサイル、艦船の燃費は未だ分からないが天文学的数字であろう。それらと炎上中の油田との合計は?油田から排出している有害物質と、侵略軍側が燃料精製時に排出したものとの合計は?
あらゆる環境対策や省エネの努力を嘲笑う環境劣化を促進するのがハイテク戦争だ。
私達が普通に生活しているだけでもエントロピーは増え続ける。豊かな生活と引き換えに取り返しの利かない環境劣化を招いていることに殆どの人が気付いていない。  
逆説的だが、環境に一番優しい国は北朝鮮なのだ。
(続く)



日時 2003-4-23 6:51:53
環境コラム: エントロピーで見る環境問題
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