ケータイってそんなにいいものですか?
| | ヒロ ヒラタ エコプチテラス 管理人 農業は未経験「蒔けば生える」と「やっちまうか」がモットー 趣味は野宿と昼寝 | 私はケータイを持っていない。 私の家族は、5人すべてがケータイをもっていないという、「絶滅危惧種的家族」である。 「ケータイを持っていない」 というと、まるで犯罪者のごとき扱いか、変人のような目で見られる。こちらも思わず「すみません」というような顔をしてしまう。 ケータイは、今や「持っていて当たり前」の便利の象徴となってしまった。 ただ、それでも私はケータイを持とうとは思わない。 理由は簡単。 私はそもそも「便利なもの」というのを、あまり信用していないのだ。 人類の大発明ともてはやされたフロンは、空のてっぺんで悪さをするとんでもない代物だった。おいしいおいしいといって子供の頃食べていたカップラーメン(いまでも時々食べるが)は、ちっとも体に良くない。クリーンなハイテク武器をうたったイラク戦争は、メディアにまでミサイルを打ちこむ誤爆の嵐だった。便利の象徴・コンビニは、大量廃棄社会の象徴でもある。 「便利なものには裏がある」 と、とりあえずうたぐってみる変なくせが、私にはある。これは一種の病気である、名前はヘンクツ病。 ヘンクツ病であるがゆえに、多くの人がその便利さがゆえに存在の意義を疑わないケータイにあえて物申す。 「ケータイってそんなにいいものですか?」 「ケータイのゴミ」について考えたことがあるだろうか? シャメール、フォーマをはじめとする、お手ごろ価格の新機種。ユーザーが新品に買い換えるたびに廃棄されるケータイはどこへ行くのか?ケータイに含まれている金属 ―鉛、水銀、それに旧型ニッケル電池に入っているカドミウムなど― には、ゴミ投棄場で地下水に影響を及ぼす可能性がある。不法投棄された製品が腐食すると、金属が地下水に流れ込み、川や野生生物や飲料水に危険をもたらすかもしれない。 「そんなことは絶対ない」と責任を持って言える企業およびケータイユーザーがいたら教えてほしい、私もケータイを持つ気になるかもしれないから。 技術が進歩するにつれ、安易に新型に切り替える傾向がすすんでいる。使い捨て電話の販売を始めた会社も多い。ケータイのような製造コストの安い製品は、商品としての寿命がますます短くなっていく。将来は、1年以下で旧式化してしまうだろう(?、すでになっている?)。 「急な商談のときなんか困るじゃないか」というビジネスマンの皆さん。 ケータイを持つことでそんなに商談が円滑に進むなら、不況に困ることもないと思いませんか? ケータイを持っていないと落ち着かないという方は、タバコを吸わずにはいられない「チェーンスモーカー」と何がどうちがうのだろう? その便利さがゆえに語られることのないケータイのもたらす不の要素。 そもそもほんの20年前まで、どこの国の王様ももっていなかったものを、ないと生きていけないかのように話すこの社会の「大げさな」反応を、冷ややかに見る人の少なさに、私は静かに驚いている。
|
日時 2003-5-5 23:43:32 環境コラム: 環境エトセトラ この記事が掲載されているURL: http://www.greenproject.net/modules/wfsection/article.php?articleid=40
|
|
|