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 GP流NPOマネジメント : VOL11.がんばらないでがんばる
投稿者 river-rat 投稿日時 2004-12-22 19:50:32 (1865 ヒット)        印刷用ページ

ヒロ ヒラタ
エコプチテラス管理人。最近はボランティアが自立してやることがなく、もっぱら回転テーブルでお茶を飲んでいる。エコプチが縁で飼われたモカは、主人より餌をくれるスタッフになついている。
▽個人サイト:森の語り部たち

燃え尽き症候群の秋

エコプチ開設から3年目を迎えた秋、グリーンプロジェクトのスタッフは疲労困憊だった。ジャブジャブの後片付け、取材、イベントへのブース出店などに加え、環境省への政策提言の作成、ホームページの「環境goo大賞」への応募など、様々なことが凝縮された1ヶ月だった。
さらに花いっぱいコンクールで東京都最優秀賞を受賞したために、
「来年は是が非でも連続受賞を」
と今まで以上に活動に熱が入り始めたため、どっと疲れの出た1ヶ月となった。
そんな中でたまたま行っていたアンケートに気になるコメントを見つけた。
「自分勝手な人が多くて困る」
「自分はがんばっているのにまわりが手伝ってくれない」
「作業が苦痛に思うときがある」
など、明らかに中心的なスタッフからのものと思われるコメントだった。
自分ががんばることによって結果が出る。結果が出るからもっとがんばるというのは向上心の表れとして大切なことだと思う。しかしそれが行き過ぎると自分の中で消化しきれない部分が出てきて、重荷に変わってしまうことがある。それは自主的な活動がいつの間にか義務になることへの苦痛だったり、他人が同じようにがんばらないことへの不満だったり、「やってやってんだ」という欲だったりする。ボランティアの範囲を超えているシグナルだ。このサインを放置するとややこしくなるが、手綱さばきもむずかしい。

楽しみ続けるために

かくいう私も他のスタッフ同様かつてないほど忙しい秋となったわけだが、環境省の政策提言で不採用、環境goo大賞での落選によって、なぜか肩の荷が下りた自分がいることに気付いた。これまでいかにして成果を挙げるか、いかにして結果を残すかといったことに夢中になっていたが、そのプレッシャーから開放された安堵感だった。
「もう十分すぎるほどがんばったし、実力以上のものを見せようとして背伸びしても足元をすくわれるのが関の山。ぼくたちはこの活動に生活の基盤を置いているわけでもないし、ビジネスの世界にいるわけでもない。楽しくコツコツと着実に積み上げていく、それを同じ温度でいつまで続けられるかが勝負どころではないのか?」
そんな風に思えるようになった。
ちょうどそんなことが重なったためスタッフで会議を開き、そのことを話しあった。
「例えば花壇の整備には5人必要なのに3人しかいなかった場合、足りない2人のことが不満になってしまう。でもそんなときは3人でできる小さな花壇に設計をし直しませんか。ぼくたちの目的は大きな花壇をつくることでもコンクールで入賞することじゃない。自分たちが楽しみ、みんなが楽しみ、それが自然体でしかもエコにつながることであって、その延長にたまたま入賞があったにすぎない。鼻歌を歌いながらエコ活動ができて、なおかつたくさんの人が参加できるスタイルをめざしていきませんか」
回転テーブルでお茶を飲みながらそんな内容の話をした。
グリーンプロジェクトは組織としての新しい段階を迎えたのかもしれない。これまではやっていることの意味も分からず、できるかもわからず、行き着く先も分からずガムシャラに動いてきた。その結果、様々な反響や成果や課題や限界を「経験する」ことができた。これからはその経験値をいかして自分たちの状況を冷静に受け止め、活動の意味を理解し、できる範囲を見極め、行き着く先をイメージしながら、ゆっくりとしかし着実に成果を上げていく時期に入ったように思う。自律と持続可能な活動だ。
自分の生活軸をしっかり持ちながら、ゆとりのある時間でゆとりあるエコ活動に汗する。忙しい都会の中でそんなメリハリの利いた生活ができたらどんなにいいだろうと多くの人が思っている。私たちは幸運にも、そんな夢のようなライフスタイルにもう少しで手が届きそうなところにいる。ただ、それを実現するためには、自分をコントロールする術を身につけなくてはいけない。私たちの社会は「村社会」だから、どうしても「自分は自分」という割りきり方ができずにまわりに流されてしまう。それは日本人の特徴でもあるからけして悪いことではないのだけれど、ボランティアの基本が「自律」や「できる範囲での社会貢献」であるならば、実は「ボランティアのなんたるか」を理解するまでの時間や経験が、私たち日本人には必要なのかもしれない。
スタッフ会議を行ったあとも、エコプチでは同じような作業が行われている。戦中戦後の苦しい時代を生きてきた世代は、みんなまじめなので手を抜けと言ったって抜くはずもない。しかし気のせいかもしれないが、以前よりもゆとりを持って活動をしているようにも見える。義務ややらねばというプレッシャーから解放され、やりたいからやるという気持ちを持てているのかもしれない。
「がんばらないでがんばる」
私たちは身近でずっと続けられるエコ的なライフスタイルの実現を目指している。身近で楽しいエコ活動をこれから10年でも20年でも続けられるためにはどうすればいいのか、この矛盾した禅問答のようなテーマに私たちは挑戦し始めた。


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