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 GP流NPOマネジメント : VOL8.広報戦略その1−広報戦略とは何か?
投稿者 river-rat 投稿日時 2004-9-11 20:41:12 (3766 ヒット)        印刷用ページ

ヒロ ヒラタ
エコプチテラス管理人。最近はボランティアが自立してやることがなく、もっぱら回転テーブルでお茶を飲んでいる。エコプチが縁で飼われたモカは、主人より餌をくれるスタッフになついている。

新聞での記事掲載をきっかけに知った広報の必要性

 それは、ひとつの「縁」からはじまった。
 私たちの活動をはじめに記事として取り上げてくれたのは、大手新聞社のMさん。メンバーにMさんの大学時代の先輩がいたこともあり、寒い1月のエコプチに取材に来てくれた。当時はエコプチを開設して3ヶ月。何もない畑で申し訳ないと思いつつも、ボランティアと一緒にトン汁を食べてもらいながら取材を行った。
 「こんなので本当に記事になるのだろうか?」
と不思議だったが、数日たって取材記事が掲載されるとの連絡があった。
 翌日の新聞を見てビックリ。3段もの文章にカラー写真までついた記事が、都内版のページに大きく載っていた。活動の意義や思いをMさんが見事に表現してくれた、すばらしい内容だった。Mさんに記事を書いてもらった反響は大きく、その後大学生がNPOの研究で調査に来たり、区内外からの見学者が多数来たりするようになった。
 Mさんとはそれ以来、ときどきメールなどでやり取りをしている。私たちの活動は地道なものなので、記事になるようなぱっとした出来事やイベントは少ないのだが、Mさんだけでなく、活動を通じて知り合った記者さんたちには、ありがとうという意味を込めてときどき活動の近況の報告をしている。
 Mさんの記事をきっかけに、こういった場所があったらいいなと思っている人が、私たち以外にも結構いるということを知ることができた。またエコ活動したいが、場所や機会に恵まれない「エコ難民」が多数存在し、静かに機会を待っていることも知った。広報をすることで、これまで見えなかったニーズや新たな課題が見えることがわかった。
 私たちの活動はエコプチテラスでの日々のエコ活動が中心で、現在の体制ではそれほど会員を拡大することもできない。ただそれぞれの「足元」から身近なエコ活動する仲間が増えるよう応援したいと思っている。
 新聞記事の掲載をきっかけに、より多くの市民が環境問題に具体的に取り組む身近なエコ活動を紹介すると同時に、エコプチのような活動の拠点ができることの価値を伝えていく効果的な広報の必要性を感じるようになった。

なぜ広報戦略が必要か

 環境問題のように、あらゆる立場や違いを超えて協力しなければ解決できないような課題に取り組む場合、一人でも多くの仲間ひとつでも多くの組織と連携し、協力していかなければ大きな成果を上げることはできない。みんなが関心を持ち、活動を後押ししてくれるような社会の流れ(トレンド)をつくっていかなければ、課題は解決しないだろう。
 しかし現状は、すべての人が環境に関心があるわけではないし、関心があっても具体的な行動ができるわけではない。そんな状況の中で、ただやみくもにPR活動を行ってもそう簡単に協力体制は築けるものではない。
「いつ」「誰に」「何を」「どんな方法で」伝えるかを厳選して考えなければ、体力のないNPOはすぐに息切れしてしまう。身の丈にあった計画的な活動が必要だ。
社会との関係性を築いていくために、対象や手法を絞った計画的なPRをすることを「広報戦略」という。
 仲間を増やしたい、開催する講座の参加者を募りたい、活動を知ってほしい、スポンサーを集めたい、など目的に応じた広報戦略を考えることで、効果的なPRができるようになる。

広報戦略の3原則

 広報戦略を考えるとき、基本的に大切なのは3つの原則にそって戦略を練ることだ。
1、「なにを伝えるか」
 ただ漠然とチラシをつくったり、ホームページをつくったりするのではなく、「なにを伝えたいのか」を具体的に・わかりやすく・印象深く伝えることが大切だ。例えば講座参加者を募りたいのであれば、その講座に参加するとどんな楽しいことがあって、それを絵や写真などのイメージで表すとどんな風になるのか、参加者にわかりやすく訴えることを心がけたい。
 また、自分たちの組織がどんな目的を持ち、どんな活動をしているのか、短くわかりやすく伝えることも大切だ。組織の概要が不透明だと、それだけで相手に不信感を与えてしまう。組織のキャッチフレーズなどをつくるとわかりやすいだろう。
2、「誰に伝えるか」  
 対象を絞り込むことは、とても重要な作業だ。若い世代に伝えたいのか、中高年に伝えたいのか、主婦なのかサラリーマンなのか、近所の人に伝えたいのか、全国に発信したいのかによって、戦略の立て方は変わってくる。ターゲットを絞り込み、予測をしながら広報をすることで、広報のコツがわかってくる。それを積み重ねれば組織のノウハウにもなる。
3、「どんな手法で伝えるか」
 大学生に伝えたいのであればインターネットやメルマガが有効かもしれないし、町会なら回覧板が有効だろうし、近所の人が中心ならチラシやポスターが有効かもしれない。伝える対象と手法はワンセットで考えるとわかりやすい。

揃えておきたい広報アイテム3種

 広報の3原則はわかった。では具体的に何からはじめればいいのだろうか?
「安い」「続けられる」「すぐできる」
をキーワードに、はじめに揃えておきたい3つのアイテムがある。
1、パンフレット
 一番初めにつくりたいのがパンフレットだ。パンフレットは「一言も言わずにできる広報」である。NPOを始める人は、そのほとんどが熱い思いや、苦しい道のりを乗り越えてきた歴史や、声を上げて社会に言いたいメッセージがある。しかし相手がそれを熱心に聴いてくれるということはほとんどない。
 「自分のために割いてくれる時間など1秒もない」
という場合すらあるかもしれない。そんな時、無言ですっと出せるパンフレットがあれば最高だ。絵や写真を織り交ぜながら、思いのこもったパンフレットを作りたい。
 パンフレットはカラーなどにすると高いので、色紙を買い、近くのNPOボランティアセンターなどの輪転機を活用することで、格安でつくることができる。
2、ホームページ
 NPOにとってホームページは「お金をかけず活動をPR」する最適の手段である。
「パソコンはどうも苦手で・・・」
といわず、自分に投資するつもりで少しずつ勉強していただきたい。魅力あるホームページは、一人の有給スタッフを雇うに匹敵するほどの仕事をしてくれるかもしれない。将来的に組織の拡大を視野に入れるのであれば、インターネットの活用はNPOにとっての生命線になると考えるべきではないだろうか。
 また組織の「情報開示」の場としても最適である。規約、役員名簿、事業概要、収支報告などを公開することで、市民から信頼される活動を目指したい。ただし、個人情報に関わる内容には十分に注意していただきたい。
3、名刺
パンフレットやホームページができたら、組織のキャッチコピーやホームページアドレスのはいった名刺を作ろう。名刺を持つとなんとなく気分がシャキっとするし、渡されたほうも、
「この組織はきっとしっかりした活動をしているだろう」
と思ってくれるかもしれない。
 ちなみにグリーンプロジェクトの名刺は少しこだわりを持っていて、「レイクパピルス」という素材を利用している。琵琶湖の葦で作られたもので、「名刺1枚で10Lの水が浄化されます」と書かれている。この名刺を使うことで、環境へのメッセージも発信できるし、会話が弾むこともあるかもしれないと思い活用している。

 以上の広報アイテム3種を足掛かりに、チラシを作ったり、機関紙を発行したり、他のNPO情報サイトに掲載依頼をしたりと、広報の幅を広げてほしい。
 広報というものはつかみ所のないもので、私たちも失敗の繰り返しを重ねている。組織の成熟と同じように、じっくりと時間をかけて育てていくものなのかもしれない。
「あきず」「あせらず」「あきらめず」
継続的に自分たちの思いを伝える広報戦略を心がけたい。

名刺についての関連サイト
レイクパピルス
http://www.banpr.co.jp/meisitop.html
レイクパピルスで名刺を作る
http://www.insatsuya.ne.jp/index.html


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