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 GP流NPOマネジメント : VOL3.ボランティアと60点主義
投稿者 river-rat 投稿日時 2004-8-26 22:58:06 (2692 ヒット)        印刷用ページ

ヒロ ヒラタ
エコプチテラス管理人。最近はボランティアが自立してやることがなく、もっぱら回転テーブルでお茶を飲んでいる。エコプチが縁で飼われたモカは、主人より餌をくれるスタッフになついているらしい。

あちらを立てればこちらがたたず

 エコプチには56区画のエコ農園があって、一般来園者のほかに60名ほどのエコボランティアがいつも施設を利用している。区民農園との違いを明確にするために、エコ農園利用にはいくつかの利用条件を提示している。
  1、生ゴミリサイクルに努めること
  2、全体会などのイベントには積極的に出席すること
  3、除草・清掃などの活動を積極的に行うこと
  4、エコ農園利用を通じてエコ活動に努めること
 ところが、時間が経つにつれてこのルールを守る人と守らない人が出てくる。特に問題なのは、区民農園とエコ農園の両方を借りていて、区民農園のようにエコ農園をつかう人が出始めたことだ。つまり「エコ活動はしないが農園は利用する」という人(=エゴ・ボランティア)の出現である。「区民農園との違いを明確にしてほしい」という行政からの要望もあって、正直これには困っている。ルール無視が横行すれば、統制がとれなくなるので、新年度の更新時に対策を打つ予定だ。
 しかし一方で、このルールを厳格にしすぎないようにしたい、とも考えている。エコ農園を利用している人は、菜園に通うだけで、テレビを見る時間やクーラーをつける時間が減って、地球温暖化対策になっているし、畑に水をやることでヒートアイランド対策になっている。利用者の中には、近隣対策としてエコ農園を「借りてもらっている」人もいるのである程度のゆるやかさは必要だ。そもそも運営側としては、「来てくれるだけで、団体の目的(足元から考える環境問題)が果たせる」ように仕掛けてあるのだ。
 ただ、そう言われてしまうと、汗だくになって草むしりや水遣りなどをがんばっているボランティアからは不満が出てくる。
「エコ農園のルールを守らない人はやめてもらったほうがいい」
 熱心なボランティアの中には、そのような意見を言うものが少なくない。私はその都度「まあまあ」などと言ってはぐらかすので、歯がゆく思われることもある。
―あちらを立てればこちらが立たず−
 ボランティアマネジメントは、「思い」のぶつかり合いだけに、企業の社員マネジメントと比べてはるかにむずかしい。
60点主義

 エコプチでは「ボランティア60点主義」を提唱している。はじめは70点主義だったが、ハードルが高かったので下げることにした。運営者側が求める(100点満点)のうち、60点を達成してくださいということだ。エコ農園利用者の60%が生ゴミをリサイクルし、月に一度行われる会合に出席60%を求めている。決まりを完璧に守ろうとすれば息苦しいが、60点を目指すならなんとかなるだろう。それが守れない人は、そもそもボランティアではないので、区民農園に行ってください、と公言している。
 一生懸命やるのもボランティア、適当にやるのもボランティア。その程度は、その人の「思いの強さ」によって異なるが、ひとつだけ言えることは、頑張っているボランティアが頑張っていないボランティアを責めた瞬間、それは「ボランティア」ではなくなってしまうし、それを認めてしまえば組織はだんだんと息苦しくなっていずれ消滅してしまう。ボランティアとは「自分が与える行動」であって、それに対する見返りを求めるものではない。ボランティアとは、自由で自発的な行動であって、息苦しいものであってはならない。60点主義というほどよいゆるやかさが、活動を継続的にする秘訣だ。
60点主義をマネジメントして120点をとる
 
 個々のボランティアは、自発的で自由な活動だけに60点というゆとりある目標設定が不可欠であるが、だからといって組織全体が60点であってよいわけではない。個々のボランティアに「60点主義」を求めつつ、組織としての成果を上げていくのが、運営者サイドの腕の見せ所でもある。ボランティアを組織の「資源」のひとつと捕らえ、資源の性質を考えたマネジメントを行えば、組織として大きな成果を果たすことも可能だ。
 グリーンプロジェクトでは、エコプチに足を運ぶすべての人を、足元から環境問題の解決に取り組んでくれる「潜在的資源」であり「潜在的人材」であると考えている。エコプチでお茶を飲んでいる一分一秒が、電気を使わないエコロジカルなライフスタイルになっていているし、エコプチで採れたての野菜を食べることで、フードマイレージが小さくなっている。毎日楽しく会話しているうちに、気がつくとエコプチのない生活に耐えられなくなってしまう―つまり、エコプチはアリ地獄のように、一度足を踏み入れたら最後、「エコ地獄」へと落ちていくような仕掛けになっているのだ。
「足元から考える環境問題」という目標を掲げる私たちが、ボランティア60点主義を掲げつつ、組織としてどのように成果を出そうとしているか、次の「成果を表現する」で説明しようと思う。
 


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