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ジャガイモ畑に飛来するキアゲハ |
○キアゲハは害虫? 農薬をあまり使わないエコプチでは、野菜を食べるのは人だけではありません。様々な昆虫や鳥たちが野菜を食べます。 私たちはこれらの生き物を『害虫』と呼んで、殺してしまいます。キャベツを食べるモンシロチョウの幼虫やニンジンの葉を食べつくすキアゲハの幼虫も、畑ではそんな害虫のひとつです。 キアゲハなどの昆虫たちは、鳥などの外敵や雨風などの過酷な自然環境の中で生きていて、成虫になれるのはほんの一握りです。また食べ物が少なくなった都会では、その数が少しずつ減ってきています。 人と昆虫が仲良く暮らす方法ってないのでしょうか? ○キアゲハの食べ物 キアゲハの幼虫はせり科の葉っぱを食べます。せり、ニンジン、パセリ、三つ葉、あした葉、フェンネルなどを食べます。ちなみにアゲハの幼虫はかんきつ類の葉を食べます。ミカン、夏みかん、レモン、きんかんなどです。 |
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| 左上からキアゲハ2齢幼虫・5齢幼虫・成虫 下はアゲハの幼虫。
| ○アゲハとキアゲハの見分け方 アゲハとキアゲハはどうやって見分けるのでしょうか?幼虫のときは、形がまったく違うし、食べ物も違うのですぐに分かります。でも蝶はちょっとむずかしい。羽の付け根に縞があるのがアゲハで、グレーがキアゲハです。 ○どんどん変わっていくキアゲハ キアゲハの幼虫は、脱皮ごとに色を変えながら大きくなります。はじめは鳥の糞のような色だったのが、最後には黄緑と黒のシマシマ模様になります。 |
| | サナギに成りかけのアゲハ | サナギになった | ○さなぎになる キアゲハは生まれてから2週間ほどでさなぎになります。さなぎになるためにあちこち歩き回り、場所を決めるとしぼんだように縮こまって動かなくなります。成虫になる準備をしているのです。脱皮の瞬間を、ぜひ観察してください。 |
○バタフライガーデン エコプチには『バタフライガーデン』と呼ばれる場所が設置されています。バタフライとは英語の蝶という意味ですから「蝶の庭」という意味です。エコプチのバタフライガーデンは、ニンジン、パセリ、あした葉などが植えられていて、主にキアゲハのための場所です。ビオトープにはキンカンの木があり、そこはアゲハのための場所です。 エコ農園を利用する皆さんに 「キアゲハの幼虫を見かけたら、殺さずバタフライガーデンに引越しさせてあげてください」 とお願いしています。集めた幼虫は、ちかくの小学生たちが観察用として、成虫まで育ててくれます。人と昆虫が仲良くできる街づくりのために、「昆虫の畑=バタフライガーデン」では、今日も野菜が元気に育っています。 |