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 ストップ・ザ・地球温暖化&ヒートアイランド : 加速する東京のヒートアイランド
投稿者 river-rat 投稿日時 2004-8-26 22:59:14 (2810 ヒット)        印刷用ページ

ヒロ ヒラタ
エコプチテラス管理人。最近はボランティアが自立してやることがなく、もっぱら回転テーブルでお茶を飲んでいる。エコプチが縁で飼われたモカは、主人より餌をくれるスタッフになついているらしい。

足立区42.7度の衝撃

 平成16年7月20日、東京都足立区で42.7度を観測したという衝撃的なニュースが飛び込んだ。調査したのは東京都環境科学研究所。気象庁とは観測方法が異なるため参考記録にとどまるが、過去に例のない「超・高温」が記録された。グリーンプロジェクトWEBにおいても、東京が2030年に43度になると予測しカウントダウンブロックを掲載しているが、26年もはやく実現してしまったことになる。
 今年の猛暑は、各地で影響を及ぼしている。冷夏だった昨年と比べ電力消費は8%増加し、コンビニの売り上げは10%伸びた。一方で、東京の真夏日は連続40日という新記録を打ち出し、都内で7月の1カ月間に熱中症で病院に救急搬送された患者が過去最多の628人に上った。まさに記録づくしの夏となっている。

湾岸に出現したトーキョー・ウォール!

 今夏の猛暑は東京だけでなく日本各地で起こっており、地球温暖化やエルニーニョもどき、フェーン現象など、様々な要因が絡んでいるといわれるが、都市部でのヒートアイランドの加速も見逃せない要因となっている。車やエアコンの室外機から出される熱風や、緑地の減少などの影響で、熱帯夜が40年前と比べて倍増するなど、ヒートアイランド現象は年々深刻な被害をもたらしている。
 2004年6月、センセーショナルな記事が掲載された。東京都港区汐留にそびえるビル群、通称「汐留・シオサイト」が、海風を遮る「壁」となってしまった結果、内陸にあたる都市中心部の気温が上昇してしまう「ヒートアイランド現象」が加速してしまったと言うのだ。
 長引く景気低迷の打開策として、日米構造協議を受け政府が打ち出した最大1200%の容積率緩和の結果として出来たビル群であったが、オフィスでの冷暖房使用の増加など、エネルギー換算で数十億円を失っている計算になるという。
 気象学的側面から、都心のヒートアイランド現象の悪化を心配するのは、防衛大学校地球海洋学科の小林文明助教授だ。
 「海風は地上から高度一キロまでの厚さで都心に吹いてくるが、ちょうど地上からビルの高さ分だけせき止められれば当然、ヒートアイランド現象の助長につながる。ビル群そのものが冷房施設やオフィス機器などで熱や水蒸気の発生源にもなる」
と指摘。
 「今後も都心部では集中豪雨や落雷の頻発、さらに竜巻も起こり得る」
と予測している。
 今後東京湾沿いにさらに高層ビル群が建設されれば、ヒートアイランドは加速することが懸念されている。

風の道を作ろう!

 深刻化するヒートアイランド現象を防ぐ手立てはないのか?
 ヒートアイランドを緩和するためには

   1、 緑地や貯水池などの増加
   2、 持続可能なライフスタイルへの道筋をつくる
   3、 風の道を考慮した都市デザイン


を考えることが必要だ。
 緑地や貯水池の増加については、これまで都市部ではなかなか難しいといわれてきたが、都市部全体が「住めないような状態」になるかもしれない状況にあっては、そうも言っていられない。これまでの方向性から大きく転換し、抜本的な対策を打つ必要がある。低・未利用地の活用や学校の校庭を活用した緑化など、「小さな緑地のパッチワーク」の推進と、剪定枝のリサイクルシステムの確立が必要だ。
 個人にできることとしては、「クーラーを使わない」などという非現実的・根性論的なことを言っていても始まらないだろう。去年からブームになりつつある「打ち水大作戦」の実施や、雨水のリサイクル、つる性の植物を植えた壁面緑化など、どんな小さなことでもいいから「とにかく何かする」という道筋を作る必要があるだろう。意識の啓発のためにも、学校を活用した環境教育には力を入れる必要がある。校庭の1割を新しく緑地化する・南および西側につる性の植物を植え、生徒に水遣りをさせるなどの体験をすることで、持続可能なライフスタイルについての意識を持った人材が育成できる。
 最後に「風の道」を考えたまちづくりが、中・長期的には必要になってくる。海から吹き込んでくる風を止めないまちづくり。川から流れる風を取り込むまちづくり。緑から生まれる風をつなぐまちづくり−。
 これまで私たちは都市デザインにおいて「風の道」というものを考えてこなかった。風が抜けないから熱がこもってしまう。それがヒートアイランドを加速させる大きな要因になっている。
 風の道を作るためには、今までよりももっと町全体の様子を知らなければならない。また、どの方向から風が吹くのか、風が抜けるためにはどの部分を空けなければならないのか、と言った「自然との対話」も必要になってくる。
 40度を超すような日が続く都会に人間が住むことは難しいだろう。そうならないためにも、総合的なヒートアイランド対策を実施する必要がある。

関連サイト
ヒートアイランド現象の現状と課題
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/heat/heat1.htm


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