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 GP流NPOマネジメント : VOL7.パブリックリレーション(PR)を考える
投稿者 river-rat 投稿日時 2004-9-7 19:23:44 (1851 ヒット)        印刷用ページ

ヒロ ヒラタ エコプチテラス管理人。最近はボランティアが自立してやることがなく、もっぱら回転テーブルでお茶を飲んでいる。エコプチが縁で飼われたモカは、主人より餌をくれるスタッフになついている。

試行錯誤する園芸部

 園芸部の活動は、エコボランティアの中で花が好きな人たちがゴミのポイ捨てをなくすために、入り口をきれいにしようと始まった部会である。はじめはパンジー、チューリップ、水仙などそれぞれ好きな花を植えていたが、
「癒しとやすらぎを与えてくれる」
「すごくきれいで毎日見るのが楽しみ」
と、近所でも評判の花壇になり、「どうせならもっとたくさんの人にこの花畑を見てもらおう」と、園芸部予算を計上すると同時に区が行っている「花いっぱいコンクール」に参加することとなった。
 コンクールでは季節ごとにテーマの花が指定され、その花を交えた花壇作りを審査される。花いっぱいコンクールに参加することで、
「ただ好きな花を植える」
から、
「どうやってきれいな花壇を見せるか」
というように意識が変化し始めた。花壇作りをする技術部などを交えてスタッフ会議を開き、花の構成などを話し合うようになった。また全国花いっぱいコンクールへの参加の知らせや、花壇整備の助成についての知らせなどの情報が来るようになり、活動に広がりが出始めた。
 しかし、コンクールへの参加や助成金の申請を行うためには、明確な目的やメッセージを相手に伝える必要がある。
「ただ、きれいな花が咲けばいい」
「道行く人に喜んでもらいたい」
という純粋な気持ちで花壇整備を行っていたスタッフにとって、それまで人にアピールするような目的や趣旨といったものは明確になっていなかった。そこで
「花壇にコンセプトとストーリーをもたせる」
という新しい目標を設定し、これからの活動に取り組んでもらうことにした。
「題(コンセプト)?ストーリー?」
これまで考えもしなかったお題に、眉間にしわを寄せたり、頭を抱えたりするスタッフが続出した。

関わり(パブリックリレーション)を考える

 PR(Public Relations)は、英和辞典では「会社・商店などが社会・従業員・顧客などとの間に親しみを増すために行う諸活動」と書いてある。すなわち、PRとは一般社会との良い相互関係を築くための活動のことだ。
 私たちの活動の目的が「花を楽しむこと」であるならば、PRについて考える必要はないのかもしれない。コンテストに参加して入賞したとしても、花壇整備に取り組んだ自分たちの満足になってしまう。しかし私たちは「足元から地球環境を考える」という目的を持った市民活動団体だ。園芸部の活動を通じて、ひとりでも多くの人が身近なエコ活動に取り組んでもらいたいと願っている。したがって園芸部も、
 「花壇作りを通じて、どれくらいの人がエコ活動に対する興味を持ったのか?」
 「ゴミの投げ捨てがどれくらい減ったのか?」
 「地域の人にどれくらい喜んでもらえたか?交流が深まったか?」
といった環境面での外部との関わりを意識することが必要になってくる。
 また、私たちの活動が様々な組織との関わりによって成り立っていることも忘れてはならない。区画整理事業用地を暫定定期に提供している足立区・(財)足立区町づくり公社や、協賛金を出してくれているグリーンカンパニー、講演会などを共催したグリーンパルなどの他NPOなどは、「足元から地球環境を考える」という目的を応援してくれている組織だ。それらサポートしてくれている様々な組織や個人に対し、
「お陰様でこんなにたくさんの人がエコ活動に興味を持ってくれました」
とお知らせすることで、「応援・協力した甲斐があった」と成果を共有できるのである。
 ただ花壇作りをするのではなく、外部との関わりを意識し、成果を共有する花壇作りをすることで、「自分たちのまちを様々な人と協力しながらよりよいものにしていく」という市民自治の意識が芽生えていくのではないかと考えている。
 常に市民やネットワーク団体を意識し、幅広い人を巻き込んで目的を達成するためにも、NPOにとってPRは社会との関わりをつくるもっとも大切な活動のひとつである。

園芸部のPR

 園芸部はテーマを「笑顔と感動のハーモニー」に決め、具体的なPRとして3つの取り組みをはじめた。
1、お花でおもてなし(現地でのPR)
 花をつかった作品や食べ物を振舞っている。最も人気なのがミントやカモミールでつくるハーブティだ。香りがよく、来園者に人気がある。そのほかポプリや三色スミレのしおり、バジルソルト作り、花の苗のチャリティ販売など、花壇の花を活用した楽しみ方を紹介している。またハーブ園のハーブにはすべてにネームプレートをつけ、見学者が名前を覚えられるように配慮するなど、「訪問者」への配慮に気を配るようになった。
2、花いっぱいコンクールへの参加
 自分たちの日頃の活動を評価してもらうことで、目標が明確になり、スタッフ間のモチベーションが高まった。廃材利用や雨水活用など、日頃のエコ活動を思い切りPRする絶好のチャンスでもある。春の部は「なつかしい風景」、秋の部は「原色の輝き」とストーリーを設定し、花の配色などを工夫した。
3、『GPグリーンフィンガーズ』で活動を紹介(インターネットでのPR)
 最近になってはじめたのが、ホームページを活用した活動紹介だ。花いっぱいコンクールにあわせ、春の部・秋の部の花を紹介している。インターネットの活用をはじめたところ、「風船カズラの種をプレゼントできないかしら?」
という提案があった。ヒートアイランド対策としての壁面緑化を勧める方法としてはなかなか面白いとやってみることにした。

 以上のように、社会との接点を意識した花壇作りに、園芸部スタッフは頭を悩ませながらも着実にステップアップしているように感じる。エコプチ花壇は「自分たちが楽しむ」から「エコ活動へいざなう花壇」へと現在進化中である。
 園芸部のPR活動がはたしてどんな広がりを見せるのか、これからが楽しみだ。


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